現役隊員が「地域おこし協力隊とは何か」制度を超簡単解説

現役の地域おこし協力隊ちだです。
平成29年度には4,000人にまで膨れ上がった地域おこし協力隊ですが、その実情はあまりよく知られていないなぁというのが個人的な感触です。

むしろ一部の成功例、失敗例が過剰に宣伝されることで制度自体が誤解されたり、協力隊は素晴らしい/税金無駄だ、という極端な議論が起こっています。

この記事では、現役の地域おこし協力隊員であるちだが地域おこし協力隊の制度を超絶シンプルに解説します。
有益な議論は、正しい理解から!

この記事はこんな人に読んでほしいです。

  • 地域おこし協力隊って何だろう、という人
  • 協力隊に興味があって、情報を収集したい人
  • 協力隊は税金の無駄だ!よくは知らないが。という人
  • 協力隊への応募を考えているという人
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地域おこし協力隊とは何か。-制度をざっくり理解する-

地域おこし協力隊とは何か。まずはその制度をざっくり理解することにします。内容は全て総務省のHPからの引用、またはちだの意訳です。

 

地域おこし協力隊の目的

地域おこし協力隊の目的は、ズバリ

地方へ人を送り込む

です。

総務省では地域おこし協力隊の目的を以下のように定義しています。

都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を、地方公共団体が「地域おこし 協力隊員」として委嘱。隊員は、一定期間、地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、 農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組。

ちだ
隊員の「定住」が「目的」ということを押さえておきましょう。

 

地域おこし協力隊の任期

地域おこし協力隊は1年契約で、最長3年まで更新が可能です。

「1年」は年度単位です。

4月始まり、3月終わりです。

僕は7月から協力隊になったので、4月から協力隊になった人と比較して3ヶ月遅く始まりました。
また、最終年は3月で終了になるので今度は3ヶ月早く終了になります。

ちだ
契約は1年ごと、最長3年を押さえましょう。

3年終わったら、その後みんなどうしてるの?きになる方はこちらの記事をどうぞ。

協力隊のその後ってどうなるの?国が実施したアンケートデータを超簡単に読み解きます。


 

地域おこし協力隊の身分

地域おこし協力隊の身分はどうなるのでしょうか。

役所の人?

と言われることが多いですが実際は

契約による

が正解です。

地域おこし協力隊の契約パターンは2パターンあります。

それは

  1. 役所と雇用関係があるパターン
  2. 役所と雇用関係がないパターン

です。

それぞれざっくり確認します。

役所と雇用関係があるパターン

自治体の地域おこし協力隊の募集要項で「雇用関係」の欄が「あり」となっているものです。
実際の募集から該当するものを探してみました。
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search/detail/15325

これはいわゆる役所の非常勤職員という扱いになります。
ポイントは以下の2点です。

  • 保険や年金を自分で払わなくていい
  • 「公務員ルール」を守らないとダメ

総務省が発行している行政向けの協力隊受け入れの手引きには以下のようにあります。

一般職非常勤職員として任用する場合は、地公法上の以下の規定が適用され
ます。 ※地域おこし協力隊に関係する主なもの (服務に係る規定)
1服務の宣誓 2法令及び上司の命令に従う義務
3信用失墜行為の禁止
4職務上知り得た秘密を守る義務(守秘義務)
5職務に専念する義務 6政治的行為の制限
7争議行為等の禁止 8営利企業等の従事制限
(懲戒に係る規定)
懲戒処分(戒告、減給、停職、免職)
(その他)
人事委員会への措置要求、審査請求等が認められる 等

ちゃんとした服を着て、出勤して、9時5時でよろしく!

と言うことですね。

ちなみに、副業はどうなるのでしょうか。

公務員は副業禁止だけど…

ここも手引きに書いてありました。

一般職非常勤職員については、地公法第38条において、営利企業等の従事制 限が定められており、従事する場合は任命権者の許可が必要とされていますが、
その許可にあたっては、公務に支障を来したりするおそれがないよう十分留意しつつ、勤務形態等を勘案して必要に応じ弾力的な運用を行うことは可能です。

上司がOKって言えばいいよ!

ってことですね。

ちだ
副業を認められていないケースの方が圧倒的に多い…

 

役所と雇用関係がないパターン

自治体の地域おこし協力隊の募集要項で「雇用関係」の欄が「なし」となっているものです。
実際の募集から該当するものは例えばこれです。
https://www.iju-join.jp/chiikiokoshi/search/detail/15280

雇用関係がない場合、協力隊の身分は個人事業主です。
さっきとは逆で

  • 保険や年金を自分で払う
  • 「公務員ルール」には縛られない

と言うことになりますね。

副業についても認められているケースが多いです。実際に先ほどの募集にも

協力隊員としての活動に支障がなければ、定住に向けた兼業を認めます。

という記載があります。

ちだ
雇用関係が「なし」なら個人事業主ですよ。

 

地域おこし協力隊のお金

では、地域おこし協力隊のお金は一体どうなっているのでしょうか。
こちらも超簡単に紐解きたいと思います。

お金については

  • 協力隊のお金の種類
  • 協力隊のお金の出所
  • 協力隊の給与
  • 協力隊の経費
  • 協力隊の起業支援金

の5つに分けて記載します。

 

協力隊のお金の種類

地域おこし協力隊に関係するお金は全部で3種類あります。

  1. 協力隊の給与
  2. 協力隊の活動経費
  3. 協力隊の起業支援金

それぞれ詳しくは後述します。

ちだ
協力隊に関わるお金は3種類あるよ!ということをまず押さえましょう。

協力隊のお金の出所

協力隊のお金はどこから出てくるのでしょうか。

国の税金だろ!

それは正解なんですが、実情を理解する上で大事なのは、どういうプロセスで国からお金が出るかという点が重要です。

極簡単に言うと、協力隊に関係するお金は一度各自治体が予算化して、立て替えて隊員に支払われます。

その後、自治体は国に協力隊にこれだけお金がかかったよ!お金ちょうだい!と要求してはじめて国から自治体にお金が支払われます。

もし要求してもそれは経費として認められないなと「国」に言われたら??

そもそも立て替えるお金がなかったら?? 協力隊の活動経費を自由に使わせてもらえなかった!という声がちらほらありますが、
それはここが問題になっている可能性があります。

行政側の言い分としてはこんな感じですかね。

  • そんな金(立て替える余裕)ないよ!
  • もし国からお金もらえなかったら、議会で何言われるかわからん!
ちだ
最終的に国からお金は出るけど、地方には地方の事情があるのですね。

 

協力隊の給与

国が定める地域おこし協力隊にかけていい金額というのが決まっています。

  • 人件費(給与):200万円
  • 活動経費:200万円

です。
ここでは人件費(給与)について触れます。

先ほども触れましたが、協力隊にかかった費用は国が後で補填してくれます。
が、補填するためにはルールが決まっていて、その1つが「協力隊の給与は上限200万円」なんです。

200 ÷ 12 = 16.666…

そう、地域おこし協力隊の給料がどこの自治体も16万6千円なのは、上限200万円を12ヶ月で割った金額だからです。

じい
たまに給与が20万円とか、16万6千円以上のところがあるけど、どうなっているのじゃ?
ちだ
16万6千円を越えた分は、自治体が持ち出しているんだよ。自腹を切ってるんだね。それくらい本気!とも言えるかも。
「活動経費」も同様に200万という上限がありますが、活動経費を人件費に使うということができないんです。だから、自腹を切ってでも給料を高く設定している自治体は「本気」だと言えるのです。

地域おこし協力隊って給料だけで暮らしていけるの?というのは別の記事に赤裸々にまとめてみました。

地域おこし協力隊の給料ってどうなってる?生活は赤字??公開します。

 

協力隊の活動経費

地域おこし協力隊には活動経費というものが存在します。
これも同様に自治体が立て替えておいて、後ほど国から補填されます。

上限は200万円です。

国から補填される以上、国が定めた使い道があります。それ以外に使っちゃうと経費にはならないわけですね。
引用します。

その他の経費(活動旅費、作業道具等の消耗品費、関係者間の調整などに要する事務的な経費、定住に向けた研修等の経費など)200万円)

ざっくりしてますね。

そりゃ自治体の担当者はビビりますよね。

本当にこれが経費で落ちる(国がちゃんと払ってくれる)か、って。

さらにもう1つ罠。

募集要項にある

家賃を5万円まで補助します!
ガソリン代など車両にかかる経費を3万円まで補助します!

(経費として支給される200万円から天引きで)補助します!

という意味です。

つまり、あなたが

200万円の経費、どう有効に使おうか

と考えていても、実際は

家賃5万円 + 車両経費3万円 = 8万円
8万円 × 12 = 96万円 200万円 – 96万円 = 104万円

となっているんです。

200万円使えるつもりが104万円。

もちろん100万円使えるのでじゅうぶんなのですが。

ちだ
200万円丸々使えるわけじゃないぞ、ということを押さえておきましょう。

 

協力隊の起業支援金

地域おこし協力隊が起業をする場合、起業にかかった経費は上限100万円まで国が補填してくれます。
国が定めている条件はこんな感じ。

地域おこし協力隊員等の起業に要する経費:最終年次又は任期終了翌年の起業する者1人あたり100万円上限

100万円ですよ!?

普通ならビジネスコンペとかに出て、事業計画書をはじめとした膨大な資料を用意して、並み居るライバルたちに打ち勝ってようやく手にすることのできる金額ですよ??

それがまさか協力隊であるだけでいただけるなんて。

神すぎますね。

ただ、ここも一筋縄では行きません。
同じように自治体がいったん予算化しますので、前述したような2つのリスクから行政が動いてくれない、ということも考えられます。

地域おこし協力隊が起業をする時にもらうことができる100万円については別の記事にまとめたので興味がある方はどうぞ。

「地域おこし協力隊で起業すると100万円もらえる!」のウソとホント

ちだ
あてにしすぎると怖いので、しっかり制度を理解してからあてにしましょう。

 

現役隊員が「地域おこし協力隊とは何か」制度を超簡単解説:まとめ

今回は地域おこし協力隊の制度を超絶シンプルに解説してみました。

  • 協力隊の目的は「移住定住」
  • 協力隊の任期は「最長3年」
  • 協力隊の身分は「非常勤職員」または「個人事業主」
    それによって副業や従う規則が変わる
  • 協力隊のお金は「国から事後補填」される
  • 給与は上限200万円
  • 活動経費も上限200万円
    でも、家賃とかも含むから実際に200万円全部自由に使えるわけじゃない
  • 起業した場合、条件を満たすと上限100万円がもらえる

これだけ押さえておけば「協力隊とは何か」についてほぼ正確に理解できると言っていいでしょう。
じゃあ、実際はどうなのよ。
次回は協力隊の実態について書いてみたいと思います。
 
ところで、協力隊の失敗って何?という方はこちらの記事をどうぞ。

地域おこし協力隊の「失敗の本質」は応募する前に必読しよう!人生3年かけて失敗しないために。

 

3年終わったら、その後みんなどうしてるの?きになる方はこちらの記事をどうぞ。

協力隊のその後ってどうなるの?国が実施したアンケートデータを超簡単に読み解きます。

 

地域おこし協力隊、と言っても大きな枠で言えば移住なので、先に移住関係の情報を集めておくのも有効な手段だと思います。
各地で行われている移住相談会に行ったり、地域おこし協力隊や移住に関する最新情報をゲットできる環境を整えたりすることも大事ですね。

このサイトに登録すると地域おこし協力隊の応募等の最新情報が取得できるのでオススメです。